白根御池小屋手伝い記  その2

 四日目(5月31日)

   この日は、南ウィングの組み立てを始めます。

 雨が降ったりした場合休める、屋根がある休息場所です。小屋の南側に突き出しているので南ウィングと呼んでいるそうです。冬の間雪から守る為、秋に解体し春に組み立てます。毎年、同じではなく常にバージョンアップしているそうです。

水平を取りながら組み立てます

 柱の垂直、張りの水平などを取りながら組むのですが、これがなかなか大変です。

 クランプを組み立てていると、むかし某クライミングジムで仕事の後、夜な夜な壁を作ったことを思い出しました。

 五日目(6月1日)

  二日掛けて、ほぼ骨組みは完成しました。後は、色を塗り直し屋根を載せて終了です。

  ヘリでの荷揚げのため、小屋の周りに枯れ枝・倒木を方つけ明日は一度下におります。

 六日目(6月2日)

  久しぶりの下界です。スーパーで、生野菜・嗜好品などを買い足しました。

 七日目(6月3日)

  朝2時(夜中の2時?)起きで芦安3時集合です。広河原で、日の出前から準備です。

 「もっこ」と呼ばれる網に乗せ、うえに「掛けもっこ」と言う緑色の網をかけ四隅を縛ります。

 ヘリコプターが来ました。東邦航空です。

ひと昔前は、山岳遭難救助といえば、東邦航空でした。鹿島槍東尾根で前のパーティーが滑落し、搬出の時に来てくれたのが東邦航空でした。すごく格好良かったな。

キャノピー越しに北岳

 荷物をあげる前に、私達が先にヘリで小屋に上がりました。

 北岳に向かって飛んでいきます。

  食料・燃料・建材など、次から次へと荷物が来ます。

 この日は、18モッコあげました。(ヘリコプターが18往復)

  荷物の整理も大変です。

  八日目(6月4日)

 この日は午前中、高山植物保護の鹿よけの柵を設置しました。

鹿の食害は今どこの山でもおきています。バイケイソウ・ハシリドコロ・マルバタケブキなど毒がある植物しか残っていない所がばいっぱいあります。

 午後からは、南ウィングのパイプを綺麗に色を塗り直しました。

サンリンソウ

 付近の斜面には、サンリンソウがたくさん咲いていました。

 九日目(6月5日)

  いよいよお客様を迎える準備にはいります。

 朝から、お客様に出す朝食と同じようにします。高妻さん自ら新人さんにタマネギの切り方を教えます。

  食事の後は部屋にお客様を迎える準備です。

 掃除をした後、一部屋ひまとめられていた布団を整理し各部屋に分けます。そこでまた

 高妻さん自らの実演講習で、布団の上げ下げです。(通常は一人で一枚の布団ですが、皆

 さんご存じのとうり、混んでいるとそうはいきません。人数により布団の敷き方もばバリ

 エーションがあります)皆メモを取り、真剣です。 

  私はこの日で下山しました。

 白根御池小屋の皆さん、本当にありがとうございました。大したお手伝いはできませんで

 したが、大変勉強になりました。山に登る人たちの安全、山そのものの自然を守りつつ

 山・小屋に来られた人達に対する心遣い。わかっているようで何気なく山小屋に泊まって

 いましたが、改めて山小屋のありがたさがわかりました。

  今年もまた何回かお世話になると思いますが、よろしくお願いします。

小屋の前で全員写真