地図にない道

GPSの記録地図

 先月、大常木谷に行きました。下山は大常木谷林道と水源監視路を使いました。林道といっても、車が走れる訳もなく、普通の山道でしかも地形図には載っていません。途中から携帯電話のGPSで記録してみました。何回か歩いていますが、大体何処を通っているのかはわかっていましたが、正確には知りませんでした。記録が、いきなり山の中から始まっていてチョット面白いです。

 奥秩父・奥多摩には、地形図に書いてない道がいっぱいあります。(奥秩父・奥多摩の限らず、どこでも同じですが)沢のそばには、杣道。鉱山・植林地には、仕事道・軌道跡。特に奥多摩では東京の水源のため、東京水道局の「水源監視路」なんて言うのもあります。里山には、昔から色々な理由で人が入っていました。しかし何時の日か使われ無くなり廃道となってしまいました。いまだしっかりした道、鹿道と同じような道、しかし1/25000地形図には載っていないのです。

和名倉山の地図

 上の地図は、日本二百名山に入っている和名倉山です。この山は、昔大規模の伐採が行われほとんどが二次林です。現在は将監峠からのピストンが一般的な登り方です。破線の道として二瀬尾根に道がありますが、あまり整備はされていません。その他にも、川又からヒルメシ尾根を登る道、豆焼橋から釣橋小屋跡に行きぐるっと回り天狗岩トンネル辺りの東大演習林に出る道(赤色のの道)。釣橋小屋跡から、雁峠・唐松尾山・仙波のタルに行く道がありました(紫色の道)。豆焼橋から釣橋小屋跡~東大演習林の道は、釣り屋さんが歩き比較的分かりやすい道です。ヒルメシ尾根の道は、途中は分かり難いが上の方はしっかりしています。紫色の道は、ほとんど自然に帰っています。

 ヒルメシ尾根の道は問題で、将監峠から和名倉山を目指し、川又分岐でこの道に入り遭難するケースがしばしばあります。(最近も遭難したまま、見つかっていない方もいます)

 私は、沢登りで歩きこれらの道を知りました。沢を遡行していて、山の中で藪漕ぎをしていて、「こんな所に道がある?」「こんな所に小屋(飯場)の跡がある?」で、知りたいと思うわけです。

 この地域の事は、「風の谷」の山田哲哉さんが本に書いてます。とても面白く、勉強になります。

 

 奥多摩・奥秩父は昔から生活の中の山だったと思います。以前は開かずの国道とわれた、雁坂峠も立派なトンネルが通っています。実は、紙に記録された歴史に出てくる最も古い峠の一つです。なんと「日本書紀」の中に、日本武尊が雁坂峠を越えたと書かれているのです。色々な道が通っていて当たり前です。そんな歴史を考えながら歩いてみるのも、面白いと思います。ただし、道迷いには気おつけて。