谷川岳爼嵓山稜・・・

小出俣山山頂直下から見る爼倉嵓

 爼嵓(マナイタグラ)山稜は谷川連峰の主稜線から外れているため藪に覆われた踏み跡程度しかない山です。しかし、冬に天神尾根から眺めるとヒマラヤ襞を纏った立派な山容です。

 現在は、オキの耳とトマの耳が谷川岳と呼ばれていますが、昔は爼嵓を谷川岳と呼んでいたそうです。

 今回は川古温泉から小出俣山を登り、爼嵓・オジカ沢の頭を経由し谷川岳山頂、天神平でケーブルカーで下山の計画です。

 歩き始めは曇っており、時折雪も舞ったりしていました。しかし、小出俣山の斜面に取り付く頃には、日が差し始め適度にクラストした尾根を気持ち良く登って行きました。

 天神尾根から谷川岳・爼嵓と明日歩く稜線が見えてくると、一登りで小出俣山の山頂です。本当に気持ちが良く「春山最高!」と皆が思っていました。

雪のブロックに囲まれたテント

 山頂から少し下った所をこの日の天場としました。今回は8名のパーティーでしたので、2人用テントと6人用テントの二張りです。北面と西面にしっかりブロックを積みます。あとは水を作りつつ、食事(宴会?)になだれ込んでいきました。

 夜中、風は強く吹いていましたが、月が見えていました。

 ところが・・・

 あさ4時起床。表を見ると、吹雪!1時間位様子を見ます。外は明るくなってきましたが、ホワイトアウト!下山を決定しました。

 強風雪の中小出俣山に登り返しますが、左側は雪庇となっていたため、吹雪の中にうっすらと見える灌木を拾いながらゆっくり登ります。

 山頂は左右上下「真っ白」。GPSで山頂である事を改めて確認し、南東に延びる尾根に乗る為コンパスで方向を決め慎重に下りはじめます。少し下ってはGPSで位置を確認、またコンパスで方向確認を繰り返します。尾根に乗った時は、ほっとしました。

樹林帯の斜面の下降

 樹林帯の中に入れば風も弱まりもう安心です。

 春山とは言え、荒れれば冬に逆戻りです。初めての人には、いい経験になったと思います。

 またの機会に登らせてもらいましょう。