利根川源流を囲む山

 白毛門から朝日岳を越え北へ延びる尾根を巻機山へ、そこから東に向かい下津川山をすぎ大水上山、そして平が岳を越え至仏山へ。

 利根川の源流を囲む、奥利根の山々。一部の山には登山道は有りますが、ほとんどが藪に覆われた尾根が続きます。しかし雪が消える前のこの季節、素敵な雪稜が待ってます。(まぁ、年により降雪量が違うので、外れると藪漕ぎばかりの時も有りますが・・・笑)

 以前、3回に分け至仏山~平が岳(2005年)巻機山~白毛門(2006年)丹後山~巻機山(2008年)を歩きました。今回、最後のピースの丹後山~平が岳間を歩きました。

 ルートとしては、六日町の十字峡から入ります。丹後山に登り大水上山へ、そこから東に延びる尾根に入り藤原山・にせ藤原山・滝ガ倉山・剣ガ倉山を経て平が岳、南の尾根を下り白沢山・ススガ峰を越え尾瀬ケ原に降り、鳩待峠で終わります。

 二泊三日の予定でしたが、バスの時間に間に合わず三泊四日となりました。 

 十字峡からの三国川沿いの林道は、雪がたっぷり残り、斜面のトラバースです。下の川は雪代で増水しています。最初から気は抜けません。

 丹後山登山道に入ると尾根上には雪は無く、イワカガミ・アズマシャクナゲ・タチツボスミレなどが見られました。

 

 丹後山の上越国境から見た、中ノ岳・八海山です。駒ケ岳は中ノ岳の後ろにあるはずです。

 いずれにしろ越後の名山です。

 大水上山からは、雪と藪が交互に出てきます。全体的に、雪7割・藪3割の感じでした。

 藪はあまり大きな灌木が少なく、この山域を歩いた中で一番楽でした。(一昨年の苗場山~佐武流山~白砂山は最悪でした。)

 藪漕ぎのコツは、前の人がかき分けた後に素早く入り、戻ろうとする藪を手で止めて体を進めます。

 今回、一番緊張したのは、剣ガ倉山を越えた下りのナイフリッジです。ザックが重いとバランスを崩した時、リカバリーできません。

 リッジの踏み跡に乗り5歩目で踏み抜き、下が雪庇状になっているのが解り、焦りました。前日の午後通過せずに、クラストしている朝一番にして正解でした。

 たおやかな平が岳の山容。

ここまで来れば、危険な所は、有りません。春山を愉しみながら、のんびり行きます。(尾瀬までは長い尾根を、ひたす~ら歩くだけです。)

 

 雪の至仏山と燧ケ岳です。尾瀬ケ原は、ただの広い雪の「平ら」です。

 猫又川の流が雪原を横切り、所々に池塘が顔を出し始めていました。

 緩やかな流れの中に、水芭蕉の芽が見えました。

 最終日の朝、尾瀬を発つ時、湿原はモヤに包まれていました。

 最初に書きましたが、この時期にしか行けない山、この季節が楽しめる山が有ります。夏は藪で歩けず冬は雪が深すぎて登れない、上越国境や北陸・奥只見・東北の山々。まだまだ行きたいルートは、いっぱいあります。一味違った山登りが出来ます。