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北岳の生き物

 毎年北岳に登っていたのに、目に入らなかったというか、気が付かなかったというか、知りませんでした。

 北岳の標高3000m「北岳肩の小屋」がある稜線にバッタが住んでいるのです。このバッタの名前は「アカイシコバネヒナバッタ」と言います。去年確認したそうです。

 肩の小屋の森本さんはバッタがいるのは知っていましたが、そんな珍しいバッタとは知らなかったそうです。

 9月下旬の風が強い日でしたので、肩の小屋の天場から小太郎に続く稜線の大樺沢側で結構見れました。標高2300mの大樺沢二俣にもバッタは住んでいますが、こちらは「タカネヒナバッタ」と言う種類です。どちらがどの高さまで住んでいるのか、まだ解っていません。

 この高さまで登って調べる専門家がいない為だそうです。というわけで詳し生態も解っていません。そして、このバッタは飛べないためずっとこの場所で世代を繋いできました。赤石山系で最初に見つかり「アカイシ」という名がついてますが、北岳のこのバッタも詳しく調べれば亜種という可能性もあるそうです。

 

 この蝶は左が「ベニヒカゲ」右が「クモマベニヒカゲ」で両方共に

大樺沢から草滑りにいます。飛んでいる時は区別がつかないのですが、よく見ると羽根の模様が少し違っています。夏の日ですと、本当にレッドデータブックに乗っている絶滅危惧種かと思うほど、たくさん飛んでいます。

 これはテンですが、肩の小屋付近に仕掛けた罠にはいったそうです。雷鳥を食べてしまう為、捕獲対象だそうです。狐は頭がよく中々捕まえられないそうです。ヘリで下ろし環境省の方に渡すようです。

 昔は居なかった鹿・猿・狐・テンなどが温暖化の影響で3000mの標高まで上がって来ています。

 雷鳥は小太郎分岐の少し上で会いました。以前は北岳山荘から間ノ岳方面でよく見ましたが、この2・3年肩の小屋方面でのよく見ます。雷鳥の若い雌は20km位は飛ぶそうです。今、鳳凰山に居る雷鳥は北岳から飛んで行ったと森本さんは話していました。

 今年、春・夏・秋とNHKの撮影に同行し、昆虫の専門家から色々な話を聞かせてもらいました。

 御池小屋に夏の夜飛んでくる蛾の中にも、白根御池の水中の生物もまだまだ新種がいる可能性が有るそうです。(なにしろ調べる人がいない)夢がある話です。

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